ブエノスアイレス
(春光乍洩/happy together)
Buenos Aires Zero Degree
(布宣諾斯艾利斯・摂氏零度)
1997年/1999年

レスリー・チャン/トニー・レオン/チャン・チェン


ドイル近っ!!


■ブエノスアイレス

1997年の確か10月、友人と観に行こうということになって、渋谷のシネマライズに行った。あそこは短館上映専門の、そんなに大きくない映画館なのですが、割と人はいっぱいいた覚えがあります。女が多いけど、男もいた。
しょっぱなのえっちシーン、いきなりでちょっとひく(笑)勝手に「もっと叙情的なもの」だと思っていたんだなこれが。イギリスのゲイ映画(「アナカン」「モーリス」「プリックアップ」と日本の「二十歳の微熱」「きらきらひかる」)しか観てなかったし、当時。
大画面に映し出される2人の裸とリアルなセックスシーンにホモ好きの私ですら「うわ…」とまともに凝視できず、斜め前に座っている初老のおっさん(じいさん?)に目をやると、ガサガサとビニールの音を立ててジャムパンを食べはじめていた…。
「あぁ…口で主食、目でオカズか…」と思いつつ、そこで冷静になれ、そこからは楽しく観れました。
数年後にもう一度観るまで残った記憶は、「とんでもねー誘い受だなこりゃ」と風邪ひいてるのにメシ作らされるシーンと「手に優しくしてくれ」のシーンの記憶。(この2シーンは館内でファイへの同情の笑いが起こった)←マジ。
チャンチェンのとことか全然覚えてない。私にとってはどこどうとっても「ファイとウィン」だけの話。
カーウァイのこれを撮ったときの話とか知るうちに、元々「これ」を撮ろうとしてたんじゃなくて、色々の偶然で「これ」ができたと知り、私の中のカーウァイ株が落ちる(笑)
純粋に話の内容だけでいえば、「悲しい話」だな、と思う。
別に男同志だからではなく、男女でもこういうままならないことってあるよね、みたいな。(カーウァイがそこまで考えてるとは思えないが)「好き」ってだけじゃどうにもならないこともあるというか。その「好き」の表現も人によって違うので、どんなに思っても伝わりづらいこととか。でも私はファイとウィンは、めちゃくちゃ相性がいい2人なんだと思うんですがネー。どうやらカーウァイとは友だちになれないようで。ケンカばかりしてたって、何度も別 れたって、めちゃくちゃ合ってるジャン、と。こういう2人ってのは、得てして1人になったときに相手の大切さに気付く可哀想な人たちです。でもいっぱいいるよ、こんなカップル…。

トニーへこみ度:★★★★★
ウィンに振り回されたい度:★★★★★

■ブエノスアイレス ゼロディグリー
上記の通りなので、ファイとウィンのおまけ以外は私の心にさっぱりヒットしませんで。
シャーリー・クワンて?みたいな。
本編を見ると、2人の蜜月って本当に短くて、あっという間にケンカなんだけど、これ見るといっぱいラブい映像没になってたのね…。ガク。
あとこれ観て、やっと意味がわかったこととかありましたよ…(おいおい)
本編の、ファイが部屋でナイフもてあましてるとことか。なんだろうと思ったら。
あとパスポートを返さないか、をとうとうと語るとことか。
メイキングはいいんですが、私は映画っていうものは、想像させるのも大事ですが、本筋は一本で通 してほしいんですけどね…。マルチエンディングなんてゲームじゃあるまいし。

チャン・チェンとシャーリー・クワンの出番の多さ:★★★★☆

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